sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

友人F ~GIDと平和学~ (後編)

sayakot2008-09-10


分かりやすいロケーションだからと、待ち合わせの場所に決めたニッコーホテルに向かうタクシーの中で、実はわたしは緊張していた。単純に、中高時代の仲間との10年ブリの再会から来るワクワク感がある一方で、なにせ、わたしが実際に知っていたときのフミノは、対外的には、「男前な女の子」だったのに、(外見上大きな変化はないとはいえ)、それが今はホンモノの「男」だというのだから、やはり変な感じだ。いや、フミノが「男」だった、ということには実は大した違和感はないけれど、それよりも、海外ならではの呼称が煩わしい。日本語なら「フミノ」を通せば良いけれど、英語で二人称を使うとき、「she」と間違えないようにしないとと、頭であれこれ考えた。そしてそもそも、ハノイにいる間、我が家に泊まっていけば、と気軽にオファーしたけれど、男子を女子2人の小さな部屋に泊めることに、もっと恥じらいなり、ためらいなりを見せたほうが良かっただろうか、、、とまで考えたところで、なんだか急におかしくなった。所詮、昔懐かしい、フミノに過ぎないのに、と。


フミノとは結局5日間、楽しい共同生活を送った(ちょうどその時期、ルームメイトの高校時代の友達と私の後輩が同時に遊びに来ていたので、一時は、かなり人口密度の高い暑苦しい空間になっていた)。一緒に世界遺産ハロン湾や、陶器で有名なバッチャンに出かけたり、ファンシーな高級ベトナムレストランでワインをあけたり、鍋の美味しい屋台で、ポリバケツから流れ出る安ビールを浴びたり、部屋でちんまり缶ビールを開けたり、飲んで語って、飲んで語って、笑って笑って、思い返すと四六時中、本当によく笑った。


酔いがほどよくまわってくるたび、わたしたちは、これからの人生に対する不安や迷いを、いろいろとぶっちゃけあった。だけれど、結局最後にたどり着く結論はいつも、「うちら、たぶん世界一幸せモノだねえ」ということ。傲慢だと、思われるかもしれないけれど、主観は自由だから、やっぱり言ってしまう。フミノの滞在期間中に生まれた、「オナベを含めてフミノだし、フミノを含めてオナベだから」、というフレーズは、100万回言っても、大笑いだった。もともとは、この1年半分の擦り傷と虫刺されと日焼けのせいで、オトナの女性のものとは到底思えないほど無残になってしまったわたしの足首を、フミノがからかってきたのに対して、「こんな足首を含めて私だし、私を含めて足首だから!」と、返したのがきっかけで生まれたのだけど。これ、実は理想的な、受容のココロだと思いませんか。日本で流行らないかなあ。。。



それにしても、セクシュアル・マイノリティーの存在についても、もっと広い意味で日本社会の抱える問題についても、まだまだ、自分の知らない世界がたくさんあるなあと、改めて思った5日間でした。未知の世界を知ることの面白さと同時に、その、一見全く違う世界の中に、こんなにもはっきりとした「つながり」を見出すことができるワクワク感、たまりませんね。



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フミノ撮影?ハロン湾のミニ水上マーケット。