sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

ウガンダ出張いろいろ(後編)

sayakot2012-05-20

4日目:5/10(木)
・ 在ウガンダ日本大使館へ表敬訪問。
・ NARO(国立作物資源研究所)訪問
・ 夕食@大使公邸


午前11時、駐ウガンダ日本大使を表敬訪問。大使館の経済協力班の方にも同席してもらい、SAAのウガンダでの活動を紹介。大使は地図を開いてわたしたちの活動サイトに印を付けながら、丁寧に聞いてくださった。各国の日本大使館が独自に持つ草の根助成金のお話も伺い、SAAとしての申請の可能性も議論。日本大使館の草の根助成金の方針は国によって戦略が異なるが、当地では、井戸や病院建設、地雷除去など、人々の生活の最も根本的な部分での援助が重点的に行われてきたそうで、農業事業の取り扱いはまだ少ないとのこと。とはいえ、本当にコミュニティのニーズを反映した事業であれば、農業案件でも申請が承認される可能性は十分にあるとの助言をいただく。ところで来月、日本との国交樹立50周年を記念し、秋篠宮夫妻が皇族として初めてウガンダを訪問されるご予定。その一連の調整に大使館もいろいろ忙しい模様。


午後はカンパラから北へ30km先にあるNARO (国立作物資源研究所)へ。NAROには、ウガンダで生産される様々な農作物の研究施設があるほか、ネリカ米を振興するJICAのプロジェクト事務所が設置されている。ネリカ米は、乾燥や病虫害に強いアフリカの稲と高収量のアジアの稲を掛け合わせて開発されたもので、 その名前は“New Rice for Africa”の意を持つ。ネリカ振興は、ここ10年の間、自国の食糧事情を改善したいアフリカの国々で注目され、日本政府も近年特に力をいれて支援している領域だ。NAROには、Mr.. ネリカと呼ばれるJICAの坪井専門家渾身の圃場があり、今回、幸運にも坪井さんご自身に施設を案内いただいた。


日本であれば田植えは5月、収穫は9-10月と決まっているように思うが、年間を通じて気温が安定しているウガンダでは、なんと水さえあれば年中栽培、収穫できるのだそうだ。実際、NAROの試験場では、水や肥料や土の深さ等の生育条件を変えた区画の中で、2ヶ月置きに新たなイネが植えられ、異なる条件下での品種毎の成長が比較されている。芽を出して間もないイネから、収穫間近の稲穂までの段階的な成長過程が一目瞭然に観察出来るその光景はとても興味深いものだった。ちなみに坪井専門家は、Newsweekの選ぶ「世界が尊敬する日本人100人」の一人。超ご多忙の中、広大な敷地をご丁寧に案内いただき、感激◎



夜19時、夕食のお招きをいただいた大使公邸へ。事前にナンバープレート、車種、運転手の名前を要連絡というセキュリティ体制(エチオピアよりもずいぶん厳しい)。ウガンダでBOP事業を展開予定という九州のNPOの代表の方もご一緒だった。タイ人シェフが腕をふるったミョウガ入りサラダ、天ぷら、お刺身、炊き込みご飯、お味噌汁は、どれも絶品。昨夜に引続き、連日思いがけず美味しい日本の食事にありつくことができ、なんとも運のいい出張。アフリカビールのセレクションも素晴らしかったが、最後にいただいた、蒸留酒「ワラジ」が印象的。マトケという、現地の甘くないバナナが原料で、アルコール度は40度とかなり強いが、レモンと併せるとすっきりした味わい。悪酔いしないので、大使もお気に入りとのこと。ウガンダ話は尽きず、最後は皆で記念撮影をパチリパチリ。


5日目:5/11(金)
・ 意見交換@JICAウガンダ事務所

SAAウガンダ事務所副代表の K(ウガンダ人)とナイジェリア人Rと一緒に、JICAウガンダ事務所へ。今後のJICA-SAA両事務所のコラボレーションの可能性について協議することが目的。JICAウガンダ事務所からの参加者の中には、まだ着任まもない方もいるので、始めにK氏がこれまでのSAAのウガンダでの活動の歴史、またJICAとの連携の実績を紹介。一時間程の意見交換後、最終的にはSAAが新たなJICA草の根事業を提案するのが一番よいかということにまとまる。これからまた、少しずつ準備が始まる。またウガンダに来る機会が出来るのは嬉しい。


夜はJICAで協力隊の活動をコーディネートされている方のお誘いで、協力隊員の集まりに飛び入り参加させてもらう。豚料理が有名なレストランで、噴水付きの開放的な空間が気持ち良い。エチオピアではなかなか食べることができない、豚肉の串焼きとベーコンサラダが最高に美味。賑やかな夜。


6日目:5/12(土)
・ 空港へ(途中、エンテベ動物園へ寄り道)
・ 帰宅


最終日。事務所のドライバーが午前11時にホテルにピックアップに来てくれることになっていたので、朝食後急いでパッキングを済ませ、小雨の中、歩いてホテル近くの外資系のスーパーへ。店内は広く、商品の充実度はエチオピアのスーパーとはずいぶん違う。食糧から生活雑貨まで、豊富な商品群に思わず目移り。ちなみに国民一人あたりのGDPは、ウガンダ:1,151USD、エチオピア:896USD (日本:33,805USD)。わずか255USDの差が、こうした生活の便利さのささやかな違いに表れている気がしないでもない。


ホテルをチェックアウト後、空港近くの動物園(正式名は「ウガンダ野生動物教育センター(UWEC)」)へ寄り道。ビクトリア湖畔にあり、緑が多く開放的で気持ちがよいと評判を聞いていた。直前まで小雨がずっと降っていたせいか、園内には人の気配がなく、どの動物のセクションもうっそうとした緑に囲まれ広々としている。園内そのものがジャングルのようで、歩いていると、逃げ出した動物たちに鉢合わせしそうな雰囲気さえする (実際、ラクダや野生のカンムリヅル、猿たちが園内を悠々と歩いていた)。とはいえこの動物園も、少し前までは、狭いケージに動物達を閉じ込めた昔ながらの展示をしていたそうで、いつ頃からか、世銀を始めとする複数のドナーが施設の環境整備支援を行い、今のような様相になったとのこと。今は横浜動物園(ズーラシア)も、JICAの助成で定期的に人材を派遣し、飼育技術や展示方法の改善に関する技術移転を行っているそうだ。


1時間程で動物園を出て、最後は空港近くのローカルマーケットの食堂でランチ。ご飯に鶏スープをかけて食べるのは典型的なウガンダ飯の一つ。素朴な味わいが◎。5日間の滞在を終え、気持ちよくウガンダを後にする。2時間のフライト後、家に着いたのは20時前。2匹の犬達がしっぽを振りちぎらんばかりに迎えてくれる。出張、終了。


◇◇◇
トップの写真は、ウガンダの国鳥カンムリヅル。