sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

地方出張いろいろ。

sayakot2011-03-06

7組合目の調査が終了。残るはあと2組合。
今回つくづく思ったのは、どのグループもそれぞれに個性があって、それゆえに問題も様々。一括りに「農産品加工をしている女性組合支援」といっても、その対応のあり方はなかなか一般化しづらく、極端になりすぎない範囲で個別具体的に考えていかないとなかなか成果は見えてこないだろうなーという気がしています。


○○○
さて。今回泊まったホテルは水が出ず、悲しいことに3日間シャワーなしでした。町で一番新しくて立派なホテルだと聞いていたので期待していたのに(といっても1泊1000円)。。。「水不足なの?」とホテルのマネージャーに聞いたところ、単なる設計ミスで上方のフロアに水が届けられないだけだそうな。完全に構造的な問題。完成するまで気付かなかったのか、途中で気付いたところで手遅れだったのか。でも自分がオーナーだったら大赤字覚悟で工事をやり直すか、水なしで強行営業するか、ちょっと悩むかもしれないですね。


最終日にはまた両足ダニにやられてしまいました。今回は両足15カ所。何度やられても、やっぱりかゆい。でもこれは上記ホテルでなくて、女性組合メンバーの家(農村)で作業をしていたときにやられたような気がします。彼女の家は、床も壁も泥と家畜の糞に麦わらを混ぜて固めたものでてきていて、農村では典型的なスタイル。家が倉庫も兼ねているので、積み上げられた穀物サックを狙って鶏が入り込んできたり、人恋しい犬や猫が自由に出入りするので、そこからもらった可能性が大。さらにエチオピアでは客人を家に招くとき、歓迎の意を込めて刈り取った草を床に敷きつめて緑の絨毯のようにする習慣があり、私たちの訪問中もそのようにもてなしてもらったのですが、聞くところによるとこの草にも虫が潜んでいることがあるそうな。いずれにせよ、こうした環境では予防するのは非常にムズカシイ。現地の人は刺されないですし。長引かないことを祈るのみです。


地方でちょっと困るのは、上記の水問題とダニ・ノミの他、野菜の不足。エチオピアの農村の食習慣には不思議なほど緑黄色野菜が登場しないのです。要は極端に穀物と豆類に偏っています。栄養に関する知識が普及していないこととも原因でしょうし、お腹がいっぱいになればそれで十分ありがたいという感覚もあるのかも。ちょっと町に出てレストラン(というか食堂)に行けば肉にはありつけますが、野菜や果物はやっぱり少なくて、3日も地方にいると新鮮な野菜が食べたくて食べたくて早くアジスに戻りたいなーと思ったりもするのです。


もちろん、地方には地方の面白さが十分にあります。何よりも嬉しいのは、出会う人たちから受けるおもてなし。


今回お世話になった農村のお母さんは、生豆から丁寧にローストし、細かく砕いたコーヒー豆から煮だしたブラックコーヒーを出してくれました。甘いコーヒーが好きなエチオピア人にしては珍しいなと思ったら、「砂糖がマーケットになくってね、ごめんなさいね」と恥ずかしそうに言われました。マーケットに砂糖がないなんてことあるのかなと思いながら、「日本人は(わたしを含め)砂糖なしで飲む人が多いんですよ」というと、ずいぶんほっとした様子でした。


話は変わりますが、このお家の飼っている毛足の長い生後2ヶ月の赤ちゃんロバが本当にかわいらしく、すっかり夢中になりました。名前はなんて言うの?と聞いたら「ブコロ(現地オロミア語で『小ロバ』の意)」と返ってきました。まあそりゃそうですね、ペットじゃないんだから。わたしがブコロ、ブコロと呼んでいたら、農家のお母さんが「そんなに気に入ったなら車に積んでアジスアベバに連れて帰りなー」と笑いながら言ってくれました。でも乱暴者の我が家の犬たちにいじめられるかわいそうな小ロバのことを想像すると、とてもオファーを受けるわけにもいかず。本当に残念。。。ちなみにこの地域の子ロバの相場は1500円だそうです(一応聞いてみました)。帰る間際まで、この子が家にいたら楽しいだろうなーと思いながら、意外に堅い背中の毛を名残惜しくずっと撫で続けました。というかこの子にもらったのかな、虫。


◇◇◇
写真は『小ロバ』ブコロと母ロバ。だいぶ見た目が違いますが。