sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

初フィールド☆

sayakot2010-07-21

毎日書きとめておきたいことは沢山あるのだけれども、農業に関するお勉強の時間(といっても、過去のもろもろのレポートの読み物が中心)も確保したく、なかなか更新できません。以下、少々バックデートですが、簡単にダイジェスト。


☆7/15(木)-17(土):初のフィールド
初めて地方のプロジェクトサイトへ出かけました。初日は、オロミア州のモジョ(Mojo)と呼ばれるかわいらしい語感の地域へ。ここには今年9月以降、JICAの草の根資金を元にSAAが支援する予定の女性農産品加工グループの一つがあり、現状を視察に。


活動を始める数年前までは、家事や男性の農作業の手伝いに一日を費やし、ほとんど収入がなかったという女性たちは、テフを中心とした穀物の製粉、パンの製造等を通じて、今やひとり毎月1000ブル(6400円)近い収入――エチオピアの農村の標準ではかなり高額――があるという。ほとんどのメンバーが家を改築し、携帯電話を持てるようになり、それまでありえなかった、高等教育機関へ子供をやることもできるようになった者も現れるように。


SAAはエチオピアの各地で、こうしたグループに対して、製粉機の導入からレシピの開発や調理の技術始動、パッケージ加工の仕方などを行ってきた。しかし、このグループを含め、加工の技術はある程度身につけられたとしても、品質管理を始め、積極的な買い手のニーズを読んだ商品開発や、販売先の開拓、キャパシティ強化のための新たな機械や店舗への投資等々、ビジネスマインドを身につけるまでには至らず、結果として、ライバルグループの出現や新規メンバーの加入など、ちょっとしたことをきっかけに活動が停滞してしまうのが現状。メンバーが増えても、市場のニーズが変化しても、変わらず発展していくためには、よりたしかな加工技術と同時に、組織/ビジネスマネジメント力が必要で、うまくいけば数ヶ月以内には確保できるであろう資金も、その強化のために使うことを予定している。


村々はちょうどテフの収穫の時期で、SAAが普及促進しているMulti Thresher(多機能脱穀機)の周りには、沢山の村人たち、子供たちが集まっていた。青空の下、大音量で稼働する脱穀機から、みるみるうちに脱穀されたテフがうっすらと積み上がっていく。伝統的にはロバの糞を固めて平らにした「脱穀場」の上に収穫したテフを敷き、その上にロバたちを1日歩かせることで脱穀していた作業は(傍目には牧歌的でほのぼのした風景なのだけれども)、このシンプルな機械の導入により、かかる労働力においても時間においても劇的に縮小され、衛生面という意味でも、大きくその質を向上させ、市場価値を高めるのに役立っている。


写真は、訪ねた農業組合の穀物集積庫で、収穫物からゴミや不純物をより分ける作業をする少女。暗がりの倉庫で1日中座り込んで作業をしている。SAAでは、そうしたより分けをより早く、的確に行うことのできる(=そうすることで、農民の作った穀物の市場価値を高めることができる)農業機械の導入も促進しているのだけど、そうすることでこうした少女たちの仕事がなくなってしまうのではというジレンマはある。だからこそ、加工グループが自立的に発展できる組織強化をサポートし、こうした少女たちを取り込めるようにしたいのだけれど。