sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

TVの話。

sayakot2008-12-07

実は先週の金曜日、NEWS JAPANに、出てしまいました。


全国のおじ様方を魅了する、あの美しい滝川クリステルさんに自分の名前が読み上げられ、同じスクリーンに自分の顔が流れているという奇妙な体験は、もう一生味わうことがないかもしれません。(いや、味わえなくてもいいかも。。。)


放映直後、なぜ事前に報告しなかったのか、と、「お叱り系」と「驚いたよ系」のメール&電話を数件いただきました。高校卒業以来、これまでほとんど連絡をとっていなかった懐かしい友人からの、突然の嬉しい電話もあったりと、全国放送の威力をつくづく感じました。。。このブログのアクセス数も当日に限って1000近くヒットしましたし。


このブログでは、日本社会に発信していくことこそ自分の使命、と言わんばかりに張り切っているくせに、今回の取材について、この数ヶ月、何故、一切口を閉ざしていたかというこの矛盾については、自分なりの言い訳が一応あったわけで。


一つは単純に、いつ放送されるのか、そもそも実際に放送されるのかどうか、放送前日(すなわち先週の木曜日)まで知らされていなかったということ。お昼か夕方のニュース番組の中の企画として放送される可能性が高いが、当日の状況や他の企画との兼ね合いもあるので、直前の放映中止もありうる、ということは取材のときから念を押されていたし、それに、番組のテーマは国連平和大学そのものであって、理想と現実のハザマでまだ「何モノ」にもなっていない悩み多き一学生の自分について、そこまで時間を割かれるとは、あまりリアルに想像していなかった。


もう一つは――これは完全にわたしの落ち度だけれど――自分自身が、ブログという自己発信型の媒体と、TVという媒体の本質的な「違い」を、ほとんど深く考えないまま依頼を引き受けてしまった部分があり、実際に取材が始まってから、様々なギャップに直面した、というところがある。


ブログであれば、対象となる読者は、直接的なり間接的なり、わたしという人間をある程度知っていたり、あるいは「平和」とか「国際協力」とかそうしたキーワードを通じてたどり着いていることをある程度想定できるし、それを前提に自分一人で突っ走って、読者を「置いてけぼり」にしてしまったとしても(このブログの意図しているところとはもちろん違うけれど)、どこかで、これは自分の思考を整理するために書いているものであって、この場はその思考プロセスを読者とただ共有しているだけなのだ、と開き直ることができる。


ところが、TVとなると、わけが違う。全国の視聴者はわたしのことなど知るはずがないし、「平和」や「国際協力」といったイシューに対する知識や興味も人によってまったく異なるパブリックな場だから、視聴者を「置いてけぼり」にすることは許されない。だが取材中、インタビューに応えながら、わたしは、自分がこれまで何度も自分自身に答えてきたはずの簡単なことさえうまく表現できないことに、フラストレーションと、ある種の驚きを覚えた。


面倒くさがりのわたしがこのブログを、ときには一つのエントリーに何日もかけながら、なんとか続けてきたのは、一つの事象を理解するには、プロセスとコンテクスト(文脈)が命だと思ってきたからで、ぐちゃぐちゃとした過程の中でこそ、曖昧模糊としていたものが少しずつ形を帯び、自分なりの答えや信念へとつながっていくことを、感じてきたからだった。ところが、TVのように限られた時間の中で、自分がこだわりを抱いているディーテルを「瑣末なもの」にしてしまわず、同時に、何のバックグラウンドを持たない人を想定して、自分がこれまでの人生で少しずつ見出してきたものを、シンプルにそして明確に伝えることは、とてつもなく難しかった。。。まあ要は、想像力と準備不足ですね。


だから今回、編集された最終バージョンを見るまで(すなわち、On Air)、自分の意図したことが本当に伝わったのだろうかという不安は最後まで消えなかったし、誰かに宣伝するどころではなかったわけです。というか、本番のOn Airさえ、結局わたしはコワくて見ることができず、実は2日経過した今になって、親に録画した映像を見せられたのが初めてでした。


感想は。。。ご想像にお任せします。
でもなんだかんだ、愛しのふるさと「ミンチュワン村」の様子を伝えることができたのは、嬉しかったですね。媒体によって伝え方は様々あると思いますが、やはり「知る」ということから、すべてが始まるということに変わりはないと思います。わたしも今回の経験でいろいろいろいろ学びました。。。フジTVの皆さん、プロのお仕事ありがとうございました。そして何より、画面には映っていなかったけれど、ひたむきにプロジェクトを支えてきたミンチュワンの村長さん、ボランティアのおばさんたち、地元政府のパートナー、SCJスタッフ、ドナーの皆さま、あらゆる人たちに感謝・感謝。


放送内容は、どうやら下記で見られるようです。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00145364.html



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写真は、復興作業に勤しむミンチュワン村の人たち。