sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

muchos encuentros 〜出会い〜

sayakot2007-08-21

ようやく辿り着いたわたしのホストファミリーは、8歳の女の子と6歳の男の子のいる4人家族。奥さんマリアさんは、自宅の一部で小さな美容サロンを開いていて、毎日お得意さんを抱えて忙しく働いている。いかにもラテン的な豪快さとは異なった、細やかな優しさを持った明るい女性だ。旦那さんのホセさんは、家具を作る職人さん。自宅に併設された作業場で働いていて、家の中のテーブルやイスは、全て彼の手作りだそうだ。


家族の中では、マリアさんだけが少し英語を話すので、彼女を通じたコミュニケーションがどうしても多くなるが、人懐こい子供たちののびのびした様子から見ても、家族を大切にする、愛情深い人たちであることはすぐに感じてとれる。ホセさん曰く、これが典型的なコスタリカの家族だよ、とのことだが。


さてそしてもう一人、わたしと同様に今回家族のメンバーに加わったのが、中央アフリカガボン出身のサバだ。体格のがっちりとした長身の彼は、年は40過ぎくらいだろうか。国連平和大学の"Natureal Resources and Peace(天然資源と平和)"の修士コースに所属することになるのだが、もともとは軍隊に所属していて、除隊後は開発エンジニアとして政府機関やOAU(アフリカ統一機構)でキャリアを積んできたとのこと。


ガボンという国については実はほとんど何も知らなかったのだが、こちらは旧フランスの植民地で、かつては奴隷と象牙の貿易で栄えた地域だそうだ。現在人口はわずか130万人、ウラニウムや石油、鉄といった豊富な天然資源により、国民所得周辺諸国に比べると、かなり裕福な部類に入るとか。
しかし彼は声を荒げて、利益を独占する政府高官の腐敗によって、国内の貧富の差は極端に拡大する一方であり、より適切な資源配分の実現なしに、ガボンの未来はないのだと断言する。彼が現在のコースに留学してきたのも、そういった問題意識が背景にある。


昔、国連平和大学のウェブサイトでこのコース名を見つけたときは、正直ずいぶんマニアックなコースがあるものだと思ったのを覚えているが、彼に出会ってみて初めて、国家の天然資源とその配分の問題が、途上国の人々の生活に実際に深く影響を与えている現実をリアルに感じた。


今日はミニ・オリエンテーションで初めてキャンパスに足を踏み入れ、他のプログラムの生徒と数名話をする機会があった。今年もアフリカや欧米地域を中心に、50カ国近い国から学生が集まってきているとのこと。新たな出会いのラッシュを迎える予感でいっぱいの1日。


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写真は、キャンパスからの風景。300ヘクタールの広大な敷地の内、50ヘクタールがキャンパスや公園として使われている。