sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

始まりの日。

sayakot2010-09-13

今日は、ちょっとした「始まりの1日」でした。それは、わたしが今後担当することになっているJICAの資金による農産品加工女性グループ支援プロジェクトの署名式があったから。署名者は、カウンターパートとなるエチオピア連邦農業省の副大臣、ドナーであるJICAのエチオピア事務所所長、そしてSAA地域統括ディレクターのJ女史。3年間で総予算5000万円という小規模プロジェクトながら、エチオピア国営放送局ETVも来ていました。


スピーチの中で、農業副大臣アベラ氏は、「我が国は今、農産品加工の発展を通じた工業化――“成長と変革(Growth and Transforamtio)5カ年計画” ――を掲げており、その実現に、農村での労働力の多くを占めている「女性支援」と「農産品加工」は欠かせない要素だ」として、このプロジェクトへのサポートと期待を明言してくれました。


もっとも、この場での文書署名は、そのまますぐにプロジェクトの開始を意味するのではなく、実際には、これから東京で行われる、JICAとSAA東京事務所の契約交渉、契約締結を以て本当のGoサインとなります。とはいえ大抵の場合、現地政府の責任と役割を明確化するプロセスが一番のボトルネックになるので――実際今日も直前の直前まで、式を延期するかしないかの瀬戸際がありましたが―なんとか無事にこの日を迎えることができました。


これからは、契約交渉を東京事務所サイドにお願いしつつ、プロジェクト専属スタッフ(エチオピア人女性2名)のリクルーティングや、プロジェクトにおける会計・精算の仕組み作り、そしてプロジェクトの開始と共に実施予定の、女性グループの現状とニーズ把握のための基礎調査の設計や、女性グループメンバーの家族に対する、ジェンダーの意識向上のためのワークショップの計画作り等を急ピッチで取りまとめていく必要があります。まったく不安がないといえばウソになるけれど、それでも、知識も経験も豊富なスタッフと、プロジェクトをすべてデザインし、見事勝ち取った同志Y嬢@東京と、いつも温かく(やれやれと内心思われているかもしれないですが)サポートしてくださる関係者の皆々様と、力を合わせて前に進んでいこうと、今日は気持ちを新たにした次第。


目指すのは、収入源がごく限られた貧しい農村で、家族のため懸命に新しい生活を切り開こうとしている女性たちが、自分たちの力でそれを実現し発展していけるようになるための、基盤作り。
また10月以降、プロジェクトが始動したらアップデートしていきます。


☆☆☆
ところでつい一昨日は、エチオピア人にとっての「始まり」の日でした。今日のオフィスは、至る所で「A happy new year!!」の歓声。なぜなら9月11日はエチオピア歴でいう「2003年」の始まりだったから。エチオピア人女性スタッフのほとんどが伝統的な白いドレスを着て出勤し、オフィスが華やいで見えました。


それにしても、わたちたちの世界で言ういわゆる「6時」を、起点の「0時」としてカウントしていく時間コンセプトといい、欧米式に流されず、独自のシステムを守り抜くエチオピア社会の頑なさは、本当にすごい。エチオピア人と時間の確認をするときには、どちらの世界の話をしているのか、注意が必要だし、年次も同様。いずれにせよ、A Happy New Year!


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写真は、ガーナにて海辺を歩く女性。ガーナの女性は皆、物を頭に乗せて歩きます。エチオピアでそうした光景を見る事はほとんどないような。