sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

名物ハイエナマン

sayakot2010-07-27

出張3日間目の夕方、エチオピアで唯一イスラム教色の強いという町ハラールに立ち寄りました。この町は、高品質なコーヒーが有名な他、古くから交易で栄え、旧市街は歴史的な要塞都市として世界遺産にも登録されています。高い城壁に囲まれ入り組んだ路地を、色鮮やかなベールをかぶった女性たちが歩く姿は、これまで見てきたエチオピアの風景とはまったく異なるもので、日中に市街を歩き回る機会がなかったことが、本当に残念。。。


さて、わざわざ夕暮れにこの町に立ち寄ったのは、知る人ぞ知る、「ハイエナマン」に会うため。(もちろん仕事とは全然関係ありません。。。)ハイエナマンは、ハラールの旧市街の通りで野生のハイエナを夜な夜な餌付けしている男性で、今やすっかりそれが観光名物に。サファリならともかく、街の外れでハイエナの餌付けなんて近所迷惑じゃないかと思うのですが、餌付けすることで、家畜が襲われる被害がなくなったとかなんとか。


19時、バケツにたっぷりの生肉を抱えたハイエナマンが登場。彼が声をかけると一匹また一匹とハイエナが草原から顔を出してきます。ハイエナ側も餌付けされたとはいえ、さすがに野生動物らしく、最初はずいぶん警戒したそぶりを見せるものの、徐々にその距離が縮まり、ついにはハイエナマンが口にくわえた棒にかかった生肉をぱっくりと食べ出します。すでに20人位に集まった観光客も(そしてわたしも)交互に、ハイエナマンから渡された棒付き生肉をハイエナたちに差し出し、「ぱくっ」を体験。みな我先にとハイエナに餌を与える瞬間を記念撮影。10匹近いハイエナたちが目の前で肉を奪い合う光景を、大喜びで眺めている人間たちの構図は、一歩引いて見ると、なかなかシュール。。。


失礼にもライオンキング等アニメでは必ず悪役として登場するハイエナは、つぶらな瞳と大きな耳が思ったよりもかわいらしかったのですが、人間の甲高い笑い声に似た鳴き声は、やはりちょっと不気味。それにこちらのハイエナはよく餌付けされているせいで体格が良く、大型犬の3割増しくらいのサイズで、間近でみると結構な迫力。これは夜道に一人で遭遇したらかなり怖い。。。
実際は臆病な性格で、人を襲う事はほとんどないそうですが、車に敷かれてしまった家畜などを片付けるのは、いまだに彼らの仕事だとか。アジスアベバでも少し郊外にいけばすぐに見つかるそうですよ。ハイエナマンの例を含め、ここエチオピアでは、人間と動物、自然、生と死、あらゆるものが混在している感覚を日常のあらゆるシーンで実感します。


メインの出張のご報告は近日中に。。。明日の午後の便でアジスアベバに戻ります。


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ハイエナマンとハイエナたち。