sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

Adios Mexico

sayakot2010-03-13

7カ月のメキシコ生活が終わり、昨夜帰国しました。今年に入ってからの2カ月は、本当に早かった!


この一週間はてんやわんやでした。
3年間のプロジェクトを畳むということで、事務的な作業が山ほど。オフィス機材をカウンターパートに譲渡する手続きから、不要な書類や諸々の荷物を廃棄したり、本社や他国のプロジェクトに送ったり。。。


9日はチェトゥマル村での最後の出勤日だったのだけれども、Office Depotや郵便局やDHL等々、オフィスを出たり入ったりバタバタしていたら、これまで同じフロアで毎日顔を合わせていたカウンターパートのメキシコ人たちにまともな挨拶もできないまま、一日が終わってしまった。E女史のご自宅へのせっかくのご招待も、残念ながら伺うことができず、結局夜21時過ぎになってようやくオフィスを出て、日本人で唯一残っているプロマネのYさんと先輩Tさんと、アンチョビの効いた美味しいピザとビールで、チェトゥマル最後の夜をささやかに過ごしました。


最後はもっとセンチメンタルになるかと想像していたけれども、でも、こんなぐらいがちょうどいいのかな。なかなか「つながり」を感じられない、といじいじしていた時期もあったけれども、気づいたら、この小さな町チェトゥマルで過ごした日々がいとおしくて、また、それほど遠くない将来に、戻ってくるような気がしています。3年後には、チェトゥマルからそう遠くないところにあるIchkabalというところで、マヤ文明最大級の遺跡か公開されるらしい(現在発掘作業が進行中)とのことなので、それに合わせてもいいかも。


その頃には、プロジェクトで支援してきたマヤの女性グループたちは、どうなっているでしょうか。実は先週木曜日、村に出かけてきました。香ばしい手作りのトルティーヤと鶏肉のスープをご馳走になりながら、どうか私達のことを忘れないで、と何度も言われたことが今も心に刺さっています。


6つの村をそれぞれ訪ねながら、年長者が経験の浅いメンバーを指導したり、逆に若手が、メールや携帯電話を駆使して顧客とのやりとりを担ったり、また、メンバー同士の試行錯誤を通じて、想像もしなかった新商品が生まれたり――。カンクンなどの高級ブティックに、他の商品と見劣りせず並ぶようになった自分たちの作品に、大きな誇りと自信を持つようになった彼女たちに、グループとしてのすがすがしい一体感を感じる一方で、同時に、組合としてようやく一人歩きを始めた彼女たちが、これからどのような方向に進んでいくのか、心配も残ります。


先日行われた、州政府機関間の委員会で、私たちのカウンターパートだった女性庁は、私たちがメキシコを去った後も、引き続き彼女たちを支援する、と約束をしてくれたけれども、逆にそれは、彼女たちが政府機関間の政治的な思惑の真っただ中に残されるリスクがあるということでもある。伝統技術を生かして、素晴らしい商品力を持つようになった彼女たちのサクセス・ストーリーは、関係機関にとって、魅力的な“売り物”になりうるからです。これが民間でなくて政府間で形成されたODAのプロジェクトである限り、それは避けられないのでしょうか。ただ自分たちの伝統と生活を守りながら、少しでも生活を豊かにしていきたい、彼女たちのそうしたささやかな願いが、これからも守られていくことを、ただただ祈るばかり、というのは無責任でしょうか。


また近い将来、戻ってきたいと思います。
Adios Mexico!!


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昨日、ドミニカ共和国のプロジェクト事務所に荷物を送るべく、郵便局に行ったところ、窓口での登録先に「ドミニカ共和国」のコードが出てこず、大騒ぎに。「ドミニカ国」のそれはすぐ見つかったのだけれども、「ドミニカ」と「ドミニカ共和国」は別の国。
一体どこにある国なんだと職員に聞かれた同僚Tさんが、「ドミ共」はハイチのお隣の国だ、と説明したところ・・・。


「じゃあハイチに送っちゃダメ?」と真顔で聞かれたそうな。
そりゃダメに決まってるでしょ。。。着くはずないじゃん。。。
わたしの暮らしたチェトゥマルは、ほのぼのした町でした。