sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

あの頃と、今と。

sayakot2007-09-20

先週金曜から、大学時代の懐かしい友人Iが日本から遊びにきていた。


「ここはもう、コスタリカのあなたのお家と思ってちょうだいね」と、ホストの
ホセとマリアがIのために部屋を用意してくれる。この1週間、6才の息子ダニエルと遊んだり、今まで忙しさを理由に敬遠していた首都サンホセを開拓したり、一緒に授業に出席したり、課題レポートについてディスカッションしたり、
週末にはこちらの友人たちと共に、カリブ海の海亀産卵ツアーに出かけたり、市場の一角にある小さなコーヒースタンドで互いの夢を語ったり――。


研究室の後輩だったIとは、もともとそこまで近しかったわけではないのだが、彼のこわいモノ知らずの豪快な気質と、体育会出身らしい律儀な性格には
以前から好感を持っていたし、留学後わたしが留年したこともあって、卒業までの一年間は、研究室で放課後のけだるい時間を共有することもしばしばあった。そして何より、まるで終わる気配のなかった卒論を、なんとか直前に提出し、卒業できたのは、Iを始めとする、研究室の「同志」たちの存在が大きい。


卒業後は互いにほとんど連絡をとることもなかったが、日々の仕事の忙しさとプレッシャーの中で自分を見失いそうになったとき、学生時代の友人たちの存在を思い出すだけで、何度となく励まされ、奮い立たされてきた。


あの時、渋谷の安い居酒屋で共に夢を語った友人たちと、そして今、現場の第一線で活躍している友人たちと、今の自分は胸を張って、まっすぐ同じ目線で語ることができるだろうか? 必死に夢を描き、追いかけようとしていたあの頃の自分に、今の自分は、自信を持って向き合えるだろうか? と。


学生時代のIとの思い出は、卒業を目前に控えた2年前。どんなきっかけだったかは忘れたが、ゴミゴミした渋谷の雑踏を、特に目的もなく、歩いた。大手総合商社に内定が決まっていたIと、ベンチャー系の人事コンサル企業に進むことになっていたわたし。お互い、就職先という意味での進路は決まっていたものの、まさにこれから始まろうとしている未知数の社会人生活に、最高に胸を膨らませていたのを覚えている。


そして今。同じタイミングで民間の世界に足を踏み入れながら、2年前の決意の言葉の通り、商社マンとして第一線で働いている彼と、大きな方向変更を経て、ここが私のフィールドなのだとささやかな手ごたえを少しずつ感じながら、新たな道を歩み始めた自分。1年前にはまったく想像もしなかった展開ではあるものの、それぞれに道を見つけ、なんとかやってきているものだねと妙に感慨深い。


『ザ・途上国』――毎日が強烈なカルチャーショックの連続だったフィリピンでの生活と比べ、こちらに来てからというもの、大自然に囲まれながら日々の授業や課題に追われ、ついつい近視眼になってしまいがちではあった今日この頃。多少慌しいながらも、Iの滞在を通して、今、自分が立っている場所のありがたさとその意味を、改めて見つめなおす機会になった。



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写真は、トルトゥゲーロ国立公園への道のりで出会った、樹齢500年を越える大木。