sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

A moment of serenity

sayakot2007-08-28

週末は、ホストファミリーであるホセ一家のの所有する山小屋にて、のんびり過ごした。コロン町からわずか20分、山道をずっと上ったところにあるこの「山小屋」は、ホストマザーのマリアのお父さんが、引退後、何年もかけて自分で建てたもの。水道も電気もちゃんと通っているのがびっくりなくらい、ツギハギだらけの小屋なのだが(失礼)、慣れるととても居心地がいい。


コロン町も十分なくらい田舎だと思っていたが、さすがに山の上の村とは比べモノにならない。ホセの仕事用の小さなトラックで、頭を打ちそうなくらいでこぼこの山道を、がたがたと上っていったのだが、通りすがる村の人々が、大きな声で、やあやあと声をかけてくれる。村といっても、途中の道沿いに、数えるほどの家しかないのだが。


山小屋からは、コロン町が一望でき、ハンモックに寝そべっていると、川のせせらぎがどこからか聞こえてくる。頭上には何羽ものヒメコンドルが大きく旋回し、時折、宝石のように鮮やかなコバルトブルーをした蝶がひらひらと飛んでくる。足元には、いつか日本のTV番組で見た、ハキリ蟻の行進がいたるところで行われている。巣をうっかり踏んだら、小さな蟻が足を埋め尽くすほどに押し寄せてきて、チクチク咬まれてしまった。


たわわに実ったスイート・レモンやマンゴー、ビワをバックパックいっぱいに採った後は、薪をくべたコンロで沸かしたお湯でコスタリカ・コーヒーを入れ、マリアお手製の焼き立てのトルティーリャ(とうもろこしの粉を練って薄く焼いたもの)にスパイスの効いたチキンを挟んで食べる。


いずれは、コロン町の家は、賃貸用にしてしまって、ここに引き揚げてきたいんだよ、とホセは言う。ここは自然が豊かで、近所のことも気にしないでいいから。ここなら子供も安心して、自由に走り回ることができるし――。少し前まで、コロン町でも大丈夫だったんだけどね、今はもう心配でね・・・と。


日が暮れるまで子供達が走りまわることのできる豊かな自然環境へのノスタルジーが、もはやアップテンポな都会の生活にお疲れ気味の日本人だけのものではなく、そういった観点においてすでに十分「恵まれた」ように見えるコスタリカ人にとっても共通する感覚だなんて。ある意味新鮮で、同時に、ちょっぴり寂しい、そんな気がするのはわたしのエゴだろうか。