sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

Bicol Report −Craft編−

sayakot2007-07-17

マニラ麻のクラフト工場を見学。
バスケットの他、テーブルマット、カーテン、ランプのシェード、バッグ、ギフト用包装紙(青山フラワーマーケットetcちょっとお洒落なお花屋さんで見るような)などを、1000人以上の職人さんが、手作りで生産している。


さすが、バイヤーを通じて、欧米や日本の一流デパートなどに卸されているだけある。
どれを手にとってみても、洗練されたデザインと天然素材のぬくもりが、見事に融合している。


思わず一目ボレしたカーテンは、淡いオレンジとベージュの布が交互に組み合わされたシンプルなデザイン。荒い布の織り目から温かな陽光が透過し、外から風が吹き抜けるたび、部屋がさまざまに表情を変える。その美しさには思わずウーンとうなってしまう。(企業秘密のため、写真でお見せできないのが残念・・・)


創業以来、素材はほとんどすべて地元のビコール産を使用していたそうだが、昨年の台風でこれらの素材となる木々が大打撃を受けてから調達が困難になり、今は一時的にミンダナオ島ダバオ市など、その他地域から取り寄せざるをえないとのこと。本当の復興にはあと2、3年はかかるわねと、案内をしてくれたリンダさんに教えてもらう。だが、そう言う彼女の表情に、もはや暗さは見られない。



ここで働いている人間は、皆、一つの大きな家族みたいなものなのよ、彼女は笑顔で言う。
彼らの事業は、地元ビコール発の民芸品に、独自のアレンジを加えながら、地元の素材と職人さんたちの腕を通じて、先進国のマーケットに「一級品」として輸出すること。そして、その収益の一部を、災害復興や障害者のエンパワーメント・プロジェクトなど、様々な形で、地方政府やNGOを巻き込みながら、社会に還元することだ。
フィリピンの経済というと、汚職や腐敗、そして多国籍企業に牛耳られる弱者の経済、というネガティブなイメージがつきまとう。
だが、ここビコールに、自律的で地域密着で、力強い人々の営みを垣間見た。