sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

Japanese Corn

sayakot2007-07-05

大学からの帰り道。
必ず通るのが、カティプナン・アベニュー(Katipunan Ave.)。
19世紀、スペイン支配に対抗するために生まれた秘密結社に由来する名前である。


片道3車線の広さを持つこの大通りは、トラックやジプニー、トライシクル、通常の乗用車で、昼夜混雑しており、特に朝と夕方のラッシュ時には、視界が続く限りの渋滞が見られることも。毎朝、寮を出てこの通りを目の前にするたび、”Welcome to Manila!”と言われているような気がする。6月に新学期が始まってからというもの、車で通学するAteneoの生徒や職員の車でさらに渋滞が増したような。


・・・。


Ateneoからカティプナン・アヴェニューを横断する歩道橋を降りてすぐ、目につくのが”Japanese Corn”と手書きで書かれたボードと(どうしてわざわざ”Japanese”をつけるのか不思議なのだが)、屋台とリヤカーが合体したような小さなトウモロコシ屋である。日によって場所が若干違うのだが、いつも変わらないのは、前歯の欠けたおばちゃんが、特に客寄せをするわけでもなく、小さな折り畳み式のイスに座って店番する風景。


時折、タクシーやジプニーが店の前に停まり、ドライブスルーのように運転席からにゅっと手を伸ばして買っていく様子を目にするが、決して「商売大繁盛」というわけではなさそうだ。
だが彼女は、そんなこともあまり気にしていないように見える。1日中、じっと座って、騒々しく車が行き交うカティプナン・アヴェニューを眺めている。


いつもは素通りしてしまう、このトウモロコシ屋。
なんというきっかけがあったわけではないのだが、先日ふと気になって、立ち止まってみた。
今まで気づかなかったのだが、すでにゆでられたものだけではなく、3本セットの生のトウモロコシもある。
 

1本10P(約25円)で、ゆでたトウモロコシを買う。
湯気がたつほど熱々のトウモロコシの皮を、おばちゃんが手で手際よく剥いてくれる。みるみるうちに、鮮やかな黄色が姿を見せる。


久しぶりに食べたトウモロコシはどこか懐かしい味がした。
雨が上がったばかりの真夏の昼下がり。
はふはふとトウモロコシを齧りながら、カティプナンを歩いて帰った。