sayakotの日記

コスタリカ、フィリピン、ベトナム、メキシコ、エチオピアで、勉強したり旅したり働いたりしていた当時20-30代女子のブログ。

Giving

sayakot2007-05-26

フィリピンの法律で規定されている、1日あたりの最低賃金は250P(630¥)だという。


一方、あるサーベイによると、物乞いをすることで得られる1日の収入は平均300P(750¥)。
つまり、灼熱の太陽の下で汗水垂らして働くよりも、物乞いをする方が収入が良かったりすることがある。


私の友人は、車の運転席にシリアルバーや板チョコを常時ストックしている。
信号待ちをしているときに、コンコンと車の窓を叩いて物乞いに来る子供や大人に
すぐに手渡せるようにするためだ。でもお金は絶対に渡さない、彼はきっぱりと言う。


普段は冗談ばかり言っている自分と同い年のこの友人が、車からストリートチルドレンに板チョコを渡している姿は、新鮮な光景だった。


食物を与えることが、お金を与えることよりどれだけマシなことなのかは分からない。
ただ、「渡してもキリがないから」「彼らのためにならないから」「長期的な助けにはならないから――」。胸を痛めたフリをしながら、それでも無理やりに見て見ぬフリを貫くことが、自分達のとるべき当たり前の行動だと、それ以上の思考を停止していなかっただろうか。
「じゃあ本当はどうしたらいい?」「自分に何ができる?」その先を本当に思考して初めて、自分達の無力さが(少しは)許されるのではないか、そんな気がする。